セクハラが記憶にないと言われた時の切り返し
 

 セクハラの場合は、間接的な証拠が残っていることが多いです。


 たとえば、LINEやメールにメッセージを送っているケースなどが多いので、セクハラの証拠が残っていないかをあらかじめ調べておきます。


 その上で、「記憶にないかもしれないけど、LINEが残っています。覚えてないですか?」と言って該当するメッセージを読み上げます。


 すると、だいたいの人が「やべっ」という顔になるのがわかるので、その「やべっ」という顔にさせたら、そこから追い打ちをかけます。


「記憶にないことは別に構わないのですが、さすがにLINEに記録として残っているので、こちらとしては文面上、問題行動があったと推察せざるを得ないです。このLINEに関して、何か我々が認識できない事情等があるなら、それを考慮してこの問題についての解決方法を探りたいと思っています。しかし、覚えていないということでしたら、あなたからのご意見が何も聞けないということになりますよね。弁明を聞けないなら、こちらとしてはこのLINEのメッセージだけを見て判断せざるを得ないことはご理解ください」


「再度、改めて確認しますが、記憶がないっていうことでよろしいですか?」

1つ嘘をついて
矛盾した部分を引き出す

 そこまで言うと、問題社員はだいたい焦ってきます。「えっ!?」となっても、おそらくこのタイミングで「思い出しました」というのは気まずいので、「そのLINE見せてもらえますか」と言ってワンクッション挟む人が多いです。

 

以下、よくある会話のパターンです。(弁=弁護士、問=問題社員です)

 

弁「LINEをもう1回読み上げましょうか。あなたはこういう内容をLINEで送っているんですけど」

問「ちょっと携帯確認させてください。いつ頃の話ですか?」

弁「何月何日頃でした」

問「あー!なんとなく思い出しました」

 こんな会話がテンプレートのように繰り広げられます。