つまり、これは同調効果を利用したナッジが効果を発揮したというわけです。
目標達成のためにも有効な
ナッジを使った仕組みづくり
人を動かすのに有効なナッジですが、その対象は他者ばかりではありません。何か目標を達成するために、自分自身にナッジを活用するというやり方もあります。
目標達成のためには努力が必要です。その努力にともなう苦しさは、ナッジの活用によって軽減させることが期待できるのです。
たとえば資格を取るために毎晩1時間勉強することにしたとします。しかし、飲みに行った日も、残業で遅く帰った日も勉強を続けるのは容易ではありません。
『なぜ人はそれを買うのか?新 行動経済学入門』(池上 彰、Gakken)
そこで、猛勉強した先に資格が取れたら輝かしい未来が待っている(セルフフレーミング)と考えて、ともかくも帰宅したら机に向かうと決めてしまうのです。
これは初期設定と同じで、こうなっているのだから、それに従ったほうがあれこれ設定を変えるよりも面倒がなくてよいと、機械的に机に向かうようになるわけです。
また、お金を貯めるにもナッジは有効です。
500円玉を受け取ったら使わずに自動的に貯金箱に入れる、というようにルールをつくって、自分はその仕組みに従うようにします。要は気がつけばお金が貯まっているようにする。
こうした仕組みづくりが、目標に近づけてくれるはずです。







