これらは、精神的な疲れ=「脳の疲れ」ということができます。

 まず、疲れは大きく2つの種類に分けられることを知っておいてください。

 体や脳を使いすぎたことによって「疲れた」と感じること――それが「疲れの正体」なのです。

体の疲労は感じにくくなったが
脳の疲れに悩まされるように

 そして、脳の疲れはさらに細かく2つに分けることができます。

 それは、「自律神経の疲れ」と「心の疲れ」です。

 自律神経の疲れは、自律神経が乱れることによって起こります。

 自律神経は自力ではコントロールできないので、無意識のうちに疲れを感じるのが特徴です。「疲れた」と感じても、その原因がよくわからないこともあります。

 一方の心の疲れは、嫌なことや面倒なことがあったりして、ストレスを感じることによって起こります。自律神経の疲れが無意識であるのに対し、心の疲れは意識することができ、感情をともなう点が特徴です。

 このように、疲れは大きく分けて2種類、さらに細かく見ていくと3種類に分類することができます。

 脳の疲れを「タイプ1」とするならば、自律神経の疲れが「タイプ1A」、心の疲れが「タイプ1B」、そして体の疲れが「タイプ2」というイメージです。

 いずれの疲れもほったらかしにはできませんし、効果的に休息をとって、回復に努めるのが唯一の選択肢になるのですが、ここでは体の疲れよりも脳の疲れ(自律神経の疲れ&心の疲れ)のほうを重視しています。理由は次のとおりです。

・現代人は昔に比べて体を動かすことが減り、体の疲労を感じにくくなった
・ストレッチやマッサージ、食事など、体の疲れを取る方法に詳しく言及したら、それだけで一冊の本になってしまう
・私の専門領域は「脳」なので、その強みを活かすことができる

異常気象やSNSが
自律神経を狂わせる

 便利な世の中になり、コンピュータ、機械、ロボットが、人間の代わりにさまざまなことをこなしてくれるようになりました。昔は洗濯板を使って服を洗っていたのが、今は洗濯機のボタンひとつで「洗濯→脱水→乾燥」まで完結する時代です。