人間が体を使わずに済むことが増え、そのぶん別のことをしたり、考え事をしたりする時間がとれるようになりました。この状況が、脳疲労を加速させています。
さらに、異常気象やSNSの普及など、自律神経の乱れやストレスを生みだす要因になり得るものが多種多様になってきたことも無視できないでしょう。現代人の脳が疲れるのは、ある意味、仕方のないことなのです。決して気のせいではありません。
その疲れにははっきりとした原因があります。まずはそのことを理解して、疲れを感じたときは「正しく休息する」ことを徹底しましょう。
ただし、注意したい点もあります。疲れのタイプを3つに分けましたが、これはあくまで便宜上の分類で、すべては密接につながっているし、明確に分けられないケースもあるということです。
例えば「だるい」という感覚は、体の疲労を自覚できるケースもあれば、体は元気ながら精神的にどこか本調子ではないことを脳が感じて生じるケースもあります。
また、「入浴」という回復法は自律神経の安定につながりますし、ストレス(心の疲労)も解消できますし、筋肉疲労も軽減できます。「お風呂に入れば自律神経の疲れには効くけれど、心の疲れには効かない」ということはありません。
体の疲れだと思って休んでもなかなか疲れが取れず、じつは自律神経が乱れていた、ということもよくあります。よって、無理に分けて扱う必要もないのです。
自覚することができない
自律神経の疲れに要注意
3タイプの疲れのうち、みなさんにとくに意識を向けていただきたいのは、自律神経の疲れです。
心に関しては、イライラしたり、嫌なことを言われたり、不安を抱えていたりして、「ストレスを感じて疲れているな」ということを、なんとなく自覚できます。体に関しても、「体をいつも以上に動かしたから疲れたな」ということを、すぐに感じることができます。
しかし、自律神経の疲れは、体感的に自覚することができません。







