大企業のトップとして
活躍する多くの卒業生たち

 日銀出身の堀越禎三は経団連事務総長などを長く務め、財界活動に打ち込んだ。

 久万俊二郎は1982年に阪神電気鉄道社長に、84年からは阪神タイガースのオーナーに就任した。翌85年に21年ぶりのリーグ優勝、日本一を経験したがその後低迷した。

 95年に野村克也、2002年に星野仙一を監督として招聘(しょうへい)し、03年にはリーグ優勝した。20年間にわたり務めたオーナーの座を、04年に退任した。

 坂井信也も阪神電気鉄道、阪急阪神ホールディングス代表、阪神タイガースのオーナーを務めた。

 伊藤淳二は45歳にして鐘紡社長に就き、多角化路線を推進した。1985年に中曽根内閣による日本航空の民営化方針を受け、同社副会長、会長に就いた。

 繊維業界では伊藤のほかに、大谷一二(東洋紡)、小寺新六郎(ユニチカ)、田中敦(クラボウ)、小林正夫(シキボウ)らのトップ経験者がいた。

 さらに大企業のトップを務めた経営者を挙げると、朝倉次郎(川崎汽船)、岡崎忠雄(神戸銀行)、亀井忠夫(日建設計)、牧野耕二(住友信託銀行)、新宮康男(住友金属工業)、亀高素吉(神戸製鋼所)、長谷川薫(レンゴー)、春名和雄(丸紅)、伊藤正(住友商事)、徳増須磨夫(住友海上火災保険)、大西和男(住友林業)、七代目嘉納治兵衛(白鶴酒造)らがいる。

 橋本雅博は2014年に住友生命保険の社長に就任し、17年から1年間、生命保険協会会長を務めた。21年には住生会長になり、25年3月に中央教育審議会会長に就任した。

 さらに最近の経営者では、現役も混じるが、三野哲治(住友ゴム工業)、木下盛好(アコム)、北尾吉孝(SBIホールディングス)、尾野俊二(みなと銀行)、益本康男(クボタ)、知識賢治(日本交通),坂井辰史(みずほフィナンシャルグループ)らがいる。

 ベンチャー企業の創業者では、木南陽介が再生可能エネルギー発電施設の開発・事業会社であるレノバを創業した。同社は2017年に東証マザーズ市場に上場、18年には東証1部へ市場変更した。現在は東証プライム市場だ。木南は神戸高校を経て京大卒だ。