最初は会計ソフトが出力するものや、税理士が出してくれたものをそのまま見るようにすればよい。そして、月次決算をより経営に役立たせようとする場合に改善を考える。改善の方向性は大きく2つ。1つが早さの改善。もう1つが中身の改善だ。
ただ、欲を出していくと切りがない。これから月次決算を導入しようと考えている会社はまず、翌月25日までに出せる体制を整えてほしい。
月次決算の結果を従業員に配る
「さくら住宅」のケースとは
経営状態を早く知ることができれば経営者は楽になる。早ければ早いほど、伸びしろがあるならばより伸ばすことができるし、うまくいっていないのであれば、傷が浅いうちに原因分析や対策を検討できる。
横浜市で住宅リフォームを手掛けるさくら住宅は、創業以来の優れた業績と、従業員への高い報酬などで知られる。
そんなさくら住宅は創業者の頃から、翌月1週目にはほぼ正確な月次決算を出し、朝礼で全従業員に印刷して配布している。変動があった項目などは、小林久祉社長自らが朝礼で説明をする。
ここではさくら住宅の事例を参考に、どういったスケジュール感で管理すると、いつごろに月次決算を出せるのかを紹介する。
なお、さくら住宅の「翌月1週目に月次決算を出す」は特別優れた取り組みなので、「これができないならやる意味がない」などとは絶対に考えないでほしい。先ほど紹介した、「翌月25日に出す」ができれば、70点どころか80点くらいの価値がある。
2025年2月7日、さくら住宅は朝礼で1月分の月次決算を従業員に公開した。
前日に小林社長が税理士とやり取りした際に使用したP/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)をそのまま印刷し、配っている。他にも、売上高の前年同月比やその月までの累積を比較する資料、各従業員の受注件数を比較する資料など、定型化したものを複数配布していた。
意外と簡単!会計ソフトの
出力をそのまま流用でOK
これらの資料の集まりは、まさに管理会計(編集部注/経営に活用するために社内向けにまとめる会計のこと)の典型といえるものだ。売上高や利益に関する話を、小林社長は10分ほどかけて従業員に説明した。







