さくら住宅の月次決算の様子同書より転載
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 さくら住宅で経営陣が確認している月次決算資料は、会計ソフトから出力されるものをそのまま使っている。

 年商10億円を超えるさくら住宅でも、経営状態を把握するには問題がないという。かなり早い時期に月次決算を出しているものの、小林社長は「創業者の頃からやっているため、現場で働いていた頃も、社長になってからも特別負担には感じていない」と語る。

 既に確立されたスケジュール感の中で現場や取引先が期日までに処理をし、それらを経理などが取りまとめている。カレンダー上の休日の配置などによって数日ずれる程度だ。このスケジュールを決める際には、集まった伝票や請求書を整理する最終工程に位置する経理部門の作業スケジュールからの逆算が大切になる。

トラブルと負担の軽減には
習慣化が最大の鍵になる

 月次決算を早く出す際にボトルネックとなるのは大きく2つ。現場が使用した経費の入力が1つ目だ。

 さくら住宅では営業活動で使用したコインパーキングの支払いや、現場工事で急ぎ必要になってホームセンターで購入した備品などがそれに当たり、当月内に取りまとめるように社員に指導している。翌月1日に経理がすぐに作業できるようにするためだ。

 2つ目が、仕入れ先からの請求書の取りまとめだ。リフォームを施工する会社や職人に請求書を作成・提出してもらう必要がある。こちらは翌月5日までの提出を依頼し、届かないようなら提出を促す電話をするなどして集めている。こちらも一度習慣化すると、大きなトラブルはないようだ。

 これらは、中途入社した社員は、前職とのスケジュール感の違いに戸惑うかもしれない。新しくさくら住宅と取引を始めた会社も同様だ。それでも、一度習慣化してしまえば、苦にはならないだろう。

 それ以外の人件費・家賃・水道光熱費・税金などは支払実行日などが一定のため、一度「電気代は毎月20日に発生するものを当月中の経費とする」といった約束事を決めてしまえばいい。