自分軸のある人は迷いが少なくなるだけでなく、「人は人、自分は自分」で相手を尊重しながら自分の意見を伝えたり、伸び伸びと好きなことをしたり。「これでいいのだ!」と自信をもって進めるので、幸福感が大きいのです。

「私は軸がなくて、ふらふら迷ってばかり」という人も、心配しないでください。

 自分軸とは、経験を重ね時間をかけて徐々にできていくものですから。

 ただし、それほど時間をかけずに、自分軸を築いていく方法もあります。

 若くても芯がしっかりしている人は、無意識に「私にとって大事なのはこれ!」と、そのときどきで自分の思いを大事にする習慣があるのです。

意識するだけでできる
自分軸を育てる4つの方法

【“自分軸”を育むための具体的な方法】として、つぎのようなものがあります。

(1)小さなことから直感で決める

 たとえばメニューを選ぶときや、食事会の参加を決めるときなど、直感で決めてみましょう。時間をかけて選ぶと、「まわりはどうするのかな」「どっちが得?」などと迷い始めます。直感は自分のなかにある“ビッグデータ”から瞬時に「これ!」と答えを出したもの。じつは大きい買い物や恋人選びなど重要な選択ほど、「好き」「心地いい」などの直感で決めたほうが、満足度も高いものです。

(2)迷ったときの“判断基準”を決めておく

 個人の仕事はとにかく選択の機会が多いので、「迷ったらこう選ぶ」という基準をもつことが大事。たとえば、私は「ラクな仕事より、楽しい仕事」、仕事仲間は「一緒に成長できるか」が基準。買い物も「値段より好き」が基準なので、大抵は即断即決。放置しては、頭のなかにざわざわしたノイズが残ります。悩むべき時間とエネルギーは、ほんとうに大事なことのために使いたいのです。

(3)「やらないこと」を決めておく

「やること」より「やらないこと」を明確にしておくほうが迷いは減り、大事なことに集中できます。「こんな仕事はしない」「つき合いの交流はしない」「休日はSNSを見ない」「忙しいときは家事をしない」など決めると頭から排除されて、考えなくて済む。生活のシンプルさを保てるかが、自分の道を究める鍵です。

(4)ひとり時間とジャーナリング

 自分軸は、他人から知らず知らずに影響を受けている時間ではなく、自分を解放している“ひとり時間”に育まれるもの。四六時中、家族といる人ほど、1日わずかでも1人になる時間は必要。好きなことをしたり、ほっと一息つくのもいいですが、おすすめはノートや紙に思ったことをなんでも書き殴る“ジャーナリング”。