デキるビジネスマンを目指すのなら、上司からも部下からも「話しかけやすい」と思われるほうがメリットは多い。なぜなら、自分から話しかけなくても必要な情報が入ってきたり、出会いの数が増えてチャンスが広がったりするからだ。周囲から「話しかけたい」と思われる人になるための、好印象の与え方とは――。本稿は有川真由美著『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
話を聞いてくれる人には
話しかけやすい
コミュニケーションのよくある落とし穴は、話しやすい人になろう、好かれようとついしゃべりすぎてしまうことです。
人間関係では、「話し上手の人」より「聞き上手の人」のほうが、ずっとトクする仕組みになっています。人は「自分の話を聞いてくれる人」が大好きですから。
だれもが人間関係のなかでは「自分のことをわかってほしい」と思っています。
「話を聞いてもらうこと」は、心の解放や癒し、安心感、自尊心を満たすことであり、つねに心の奥でそんな人を求めているのです。
「自分のことをわかってもらえた!」「この人と話すと楽しい!」と思った人のことは好きになり、自然に相手の話も聞きたい、相手のためになにかしたいと思います。
トーク番組などで、俳優やタレントにインタビューをしている司会者や、あなたのまわりの聞き上手な人を思い出してみてください。
特徴的なのは、身を乗り出すようにして、真剣に聞いていること。
「へー、それ、すごいなぁ」「おもしろいですね~」など、情感たっぷりのリアクションで、楽しそうに相手の話に聞き入っているのではないでしょうか。
つまり、「“ちゃんと”聞こうとする姿勢」なのです。
聞き上手な人は、「なんでも話して!」と言わんばかりに、“表情”“姿勢”“あいづち”の3点セットで、あたたかく受け入れる気持ちを表現しています。
大抵は受けとめてもらえるという安心感があるから、気楽に話しかけられるのです。話の内容云々ではなく、相手そのものへの興味や愛情をもって聞いているからでしょう。
反対に、話す相手が、ほかのことをしながら話を聞き、無表情で「ふーん」と気のない返事をしていたら、「この人とはもう話したくない」と思うでしょう。
相手の話にちゃんと耳を傾けること。忘れがちなことですが、それが相手を大切にするいちばん効果的な方法であり、いい聞き手のまわりには人が集まってくるのです。