イオンが独自のセールで販売するBYDが売れるためのたった1つの条件とは? Photo:JIJI
イオンが中国BYDのEV(電気自動車)販売を発表しました。「中国産EV」への懸念や「補助金冷遇」という不利な状況で、本当に売れるのでしょうか?筆者は、最初の1年は販売に苦戦するものの「2026年秋」に、条件が揃うことで状況が一変すると予測します。BYDが劣勢を強いられる日本市場で大逆転する「たった1つの方法」を解説します。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
連載『今週もナナメに考えた 鈴木貴博』をフォローすると最新記事がメールでお届けできます。
しばらくは売れないが
「2026年秋」以降は売れそう
イオンリテールは中国BYDの電気自動車を今秋から本州と四国の約30カ所のイオンで販売すると発表しました。販売の際にはイオン独自のセールを行うとしています。
そもそも総合スーパーの店頭で自動車は売れるのでしょうか?実はこのアイデア、私は以前、かなり詳しく調べたことがあります。
たとえば日産がトヨタの顧客を奪おうと考えるとします。トヨタの顧客は日常的にトヨタのディーラーを使っているので、その人が日産のディーラーを訪問する可能性はそれほど大きくありません。
大人気の車が出て「いちど試してみたい」と言う人が続出するようなときを除けば、トヨタのユーザーは日産の手にはいりにくいものなのです。
一方で主力の販売チャネルであるディーラーと違い、大型スーパーには日常的に大勢の顧客が来店します。国内シェア50%のトヨタですから、大規模な駐車場がある店舗の来店客の半分はトヨタの顧客と考えてもいいかもしれません。そこで自動車を販売すれば競争相手から顧客を引きはがせるかもしれないというアイデアです。
先に結論を言います。スーパーの店頭で自動車は売れません。ただひとつの例外を除いては、です。このただ1つの例外にイオンはおそらく気づいているのだと思います。今回はそのことを記事にします。







