特別な望みなど必要とせず、今ある生活に心から満足している。このような反応の人生で一生を送れたら、それが幸せなのかもしれないとも思う。しかし、この記事に関心を持つ方は、おそらくこうした人生では満足できないかもしれない。
現在の若い人が100歳を超えて生きることも決して稀ではないだろう。この長い将来を見越して、人生をいかに生きていくかをできるだけ早い時期に考えておきたい。現在や目先の幸福ばかりでなく、将来をいっそう幸福な日々にするためにどうすればよいか、という視点を持ちたい。自分が真に望むものを明確にして、それを生きていく指針としなければ、反応の人生を選択したことになる。主体的に自己実現の人生を生きるには、自分なりの人生設計を持つことは必須である。
立派な業績を上げた人で
人生設計を持たなかった人はいない
人生設計を持つことの有益性は、たとえば、次のような調査で示されている。
1953年に、イェール大学(アメリカ)は興味深い調査を実施した。その年に卒業する全員を対象として、「今、明確な人生設計をもっているか?もしもっているとすれば、それはどのような目標か?」をアンケートしたのだ。その結果、はっきりした目標を抱いていたのは、わずか3パーセントだった。
そして20年後、調査のつづきが行われた。その結果はこうだった。「その3パーセントの人たちはほかの卒業生に比べて健康状態もよく(病気にかかる日数が少なかった)、家庭状況もうまくいっているし(離婚率がかなり低かった)、また『幸せで満足している』と言う割合も多かった。」
しかも、「その3パーセントの人たちは、対象者全員の財産のうち約95パーセントをもっていた(逆にいえば、残り97パーセントの人たちは、卒業生全員の財産のわずか5パーセントしかもっていなかったのだ)。」(ユルゲン・ヘラー著、畔上司訳『「できる人になる」成功の秘訣』主婦の友社)







