このように、若いうちに人生設計を描くことは、より健康で、金銭的に豊かで、家庭生活も幸福で、満足した人生を送ることにつながる。

 どのような分野でも、立派な業績を上げた人で、なんらの人生設計も持たなかった人などいないのではないだろうか。

 私自身、人生設計を持つことの大事さを身に染みて体験している。頼れる者は自分しかいなかったので、自分の生活をどのように作っていくかの計画を10代後半に描いた。この人生計画によって、凡庸な私でも人並みに仕事をこなし、自分なりに満足できる人生を送ることができた。そして、現在もそれに沿っていっそうの自己実現を成しつつあると思っている。

「人生設計を持って生きられる人は意志の強い人だ」と思うかもしれない。たしかにそうした人も含まれるだろう。しかし、私は自分の体験から「意志が弱いからこそ詳細な人生設計が必要なのだ」と感じている。怠けやすく、挫けやすいから自分を束縛する基準が必要なのである。それなしで自分を律することができる人こそ、強い人なのだと思う。