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「ゲームばかりしているとダメになる」「甘やかすと子どもは成長しない」――。そんな言葉を信じて、子どもの“楽しむ気持ち”を制限していないだろうか。心理学者・根本橘夫氏は、快感を否定するしつけが、やがて無価値感や依存行動を招くと警鐘を鳴らす。“快”をどう扱うかで、子どもの未来は大きく変わるという。※本稿は、心理学者の根本橘夫『新版「自分には価値がない」の心理学』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。
「快感のあとには罰が来る」と
罪悪感を植え付けるしつけ
のんびりとした時間を過ごしていると、怠惰を責める心が湧いてくる。楽しいときを過ごしている最中でも、脳裏にふと「これでいいのか」という不安がよぎる。食事を楽しんでいるときには、お腹のあたりに不快感がうごめく。セックスやマスターベーションにはとくに強い罪悪感が伴う。
これは、成長する過程で快感が罪悪感や不安と結びついてしまうためである。子どもをしつけるときは、快感のあとには罰が来る、と脅すことが少なくない。
「アイスクリームをそんなに食べると、お腹が痛くなるよ。」
「ゲームばかりしていると、受験に落ちるぞ。」
さらに、苦しみにこそ価値がある、という理念で育てられる。それは、次のような標語で表される。







