ですが、そのフォローはまた別途すればいいだけのこと。謝りに行くなり、再度説明するなりしたほうが、よほど相手としては気分がスッキリします。

 ショックを和らげようと、安易に敬語を並べたて、本来の目的をぼかすのは卑怯というものです。

 そうではなくむしろ、混ざり物の少ないシンプルでフェアな会話を貫いたほうが、長い目で見れば「この人はウソがない」「わかりやすくて話が早い」という信頼を勝ち取れます。

 キャッチボールでも、まずはしっかりとボールを投げるのが大事。万が一相手が捕りにくそうだったら、次のボールから対応を考えればいい。最初から変に手を抜いたりせず、ラリーの中で徐々に調整していくことこそが、キャッチボールのコツであり醍醐味なのです。

伝えたつもりで相手を
置き去りにしていない?

×「え?その件ならメールしたよ、読んでないの?」(読んでないです……)

×「ちゃんと聞いてた?頼んだのと全然違うよ」(聞いてなかったです……)

×「じゃ、そんな感じでよろしく」(何をどうすれば?……)

「自分の言うことは、100%相手が理解しているはず」という前提で、どんどん話を進める人がいます。

 メールを送ったら、「読んでいるはず」とその後フォローしない。説明を始めたら、「うまく話せている」と、一気に話しきる。

 どれも「伝わっているはず」という過信と、「仮に伝わってないとしたらあっちが悪いのであって、こっちの責任じゃない。だってこっちは言ったんだから」という傲慢さからくるものです。

 相手としては、ペースについていけなくて困ってしまうだけでなく、「この人は一方的に話したいだけで、会話するつもりがないんだな」とガッカリしてしまいます。

 キャッチボールで言えば、相手が捕ったかどうかをまったく気にせず、次々とボールを投げ続けるようなもの。相手としては「一体ボールはいくつあるんだ?」とパニックに陥りますし、「こっちのこと見てよ」と不満を募らせることになります。