そりゃ世界で活躍できないワケだ!「文科省のグローバル人材像」にため息しか出ない写真はイメージです Photo:PIXTA

日本では協調性や空気を読む力が重視されるが、世界では固定観念を打ち破る非優等生タイプが求められている。もしかしたら、日本でやりにくさを感じているあなたこそ、真のグローバル人材になれるかもしれない。元ヘッドハンターが語る、世界で活躍する日本人の共通点とは?※本稿は、妹尾輝男『成長の書』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

グローバル人材とは
そもそも何なのか?

 長年にわたり、日本のビジネスシーンでは「グローバル人材」の出現が待望されている。「グローバル人材こそが日本を救う」という論調の記事を目にすることも珍しくない。だが、その「グローバル人材」とは具体的に何を指すのか?

 文科省の定義によれば、「日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材」(第二期教育振興基本計画〈平成25年度~29年度〉)らしい。

 僕はこれを聞いて、思わずため息が出た。これじゃあハードルが高すぎやしないか?そもそも、こんな条件をすべて満たす日本人が、人口の何%いるだろう。

 さらに気になるのは「日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として」という部分だ。日本で日の目を見られず、新天地を求めて海外で成功した例は少なくない。

 たとえば、世界的指揮者・小澤征爾。若くしてNHK交響楽団の指揮者に抜擢されながらも年長の団員たちに疎まれ、ついには日本を去り、海外でその才能を開花させた。