コツコツ準備してきた人が
結果的に仕事に“選ばれる”

 それでも赤塚さんは、少女漫画を丁寧に創作し続けました。そしてそのかたわらで、毎日ギャグ漫画のネタやネームを考え、それをノートに記すことを継続していたそうです。

 そんなある日、チャンスがやってきます。週刊少年漫画誌で、他の連載に穴があき、急遽16ページの原稿が必要になったのです。

 その際、担当編集者がトキワ荘のリーダー格だった石森章太郎さんに相談したところ、石森さんは赤塚不二夫さんを推薦します。「見ている人は見ている」の典型的な例ですね。そして、その漫画が、どれもこれも抜群に面白い。

 こうして赤塚さんは、「ギャグ漫画の王様」として一世を風靡していったのです。

 赤塚不二夫さんが少女漫画を丁寧に描き上げていたように、「何かを差し出し続けること」は、あなたにとっても必要不可欠です。

 それを続けていれば、石森章太郎さんが赤塚不二夫さんのことを見ていたように、誰か見てくれている人は必ずいます。

 コツコツと巻き込まれた、評価が高い人や信頼がある人にチャンスは訪れる。

 これは、ビジネスにおける真理だと、私は思っています。

 仕事を選ぶ人ではなく、仕事に選ばれる人になりましょう。