実際には使わないだろうなぁと思いながらも、これらを買わないという選択をすることは、やはり不登校の子どもの親には難しいものです。

 このような費用に関しては、地域によっても対応が異なりますが、給食費は日割りでの支払い(食べた日の分だけ支払う)を認めている地域があります。

 また、教材費についても、まったく登校しないことが予想される場合には支払いを拒否することができます。制服や体操着、習字セットなどは、卒業生などの寄付を受けることもできますし、最近では、ネット上で譲り受けることも可能です。リコーダーのような年に数回しか使わないものであれば、学校から借りてしのぐこともできるでしょう。

 完全に支出をゼロにすることは難しいかもしれませんが、支出を抑制する方法はあります。どれが学校を通して購入しなければならないものなのか、どれが学校指定のものでなくてもよいものなのかを相談してみるとよいかもしれません。

子どもは不登校なのに
PTA役員を務める親も

 日本にはPTAという組織があります。親と教師が協力して子どもの学びと成長を促す組織として、終戦後から存在しています。現在はさまざまな問題が指摘され、改革も行われていますが、なんらかの形でPTAが存続している学校がほとんどです。

 このPTAに関して、最も気が重いのは、春に行われる役員決めでしょう。クラスからPTAの代表を出したり、各種委員会・係を決めたりしなければなりません。ちなみにPTAはボランティア活動ですので、手当等は出ません。いまだに平日の昼間に集まっている委員会・係も少なくなく、ベルマーク集めやバザーなど、時代にそぐわないような活動も続けられています。

 小学校の場合、このPTAの委員・係を6年間に1回は必ずやらなければならないとしている学校があります(暗黙の場合もあれば、ルール化しているところもあります)。

 しかし、共働きをしていたり、介護などが必要であったりすると、平日の昼間にPTAの委員・係活動を行うことは難しくなります。

 そのため、春になると、委員や係を回避するために、「自分はいかに委員をやることが困難な状況にあるのか」を告白しなければならないという儀式(?)が行われていたりします。そして、立候補もなく、話し合いも不調に終わると、くじ引きなどで委員が決められるのです。