国際親善試合でブラジルに勝利し、笑顔で集合写真に応じる日本代表(10月14日) Photo:JIJI
日本サッカー界が激震に見舞われてから1カ月あまりが経過した。海外出張中の幹部が航空機内で児童ポルノ画像を閲覧した疑いで経由地のパリで逮捕され、簡易裁判で有罪判決を受けた一報を受けて、日本サッカー協会(JFA)は当事者の影山雅永・前技術委員長を10月7日に解任。同月中に後任を決め、再発防止へ向けたタスクフォースも発足させた。しかし、前代未聞の不祥事はこれで解決したわけではない。むしろ国内外からの信頼回復へ向けて、極めて重い課題を背負わされた。(ノンフィクションライター 藤江直人)
日本代表がブラジルに逆転勝利した日
ANAの広告看板が消えていた
森保ジャパンが世界を驚かせた一戦で看過できない異変が生じていた。
日本代表がサッカー王国ブラジルを逆転で撃破し、通算14度目の対戦で初勝利をもぎ取った10月14日の東京スタジアム。本来ならばピッチ脇に掲出されるはずだった全日本空輸(ANA)の広告看板が直前で取りやめになっていた。
ANAは日本サッカー協会(JFA)とメジャーパートナー契約を結んでいる7社のひとつ。JFAへ支払うスポンサー料の対価として各種日本代表戦への広告看板掲出権やチケットキャンペーン実施権、日本代表のエンブレムやマスコットなどの広告及び販売促進活動への使用権を得ている。
実はブラジル戦の4日前となる同10日に、大阪・パナソニックスタジアム吹田で行われたパラグアイ代表との国際親善試合でもANAは同じ措置を取っていた。ともに地上波テレビで生中継され、必然的に露出も多くなる日本代表戦で広告看板掲出を取りやめるのは異例の事態といっていい。
ANAが取った措置への受け止めを問われたJFAの宮本恒靖会長は、次のように答えている。







