JFA常設の12委員会の中で
最も重要な「技術委員会」の後任
JFA内に常設されている12の委員会のなかで、日本サッカーの強化と普及の両輪を担う技術委員会は最も重要な存在となる。年代別を含めた日本代表の強化及び編成から、代表監督に対する評価や次期候補者の推薦、各所属クラブへの招集作業と、年代別を含めたすべての代表チームの活動を下支えする。
さらに選手育成と計画的な強化、ユース以下の年代を対象とした普及活動も管轄。全国各地に設置されているトレーニングセンターを管理及び運営し、将来性のある若手を発掘しながら、より高いレベルの環境を継続的に提供しながら育成していくとともに指導者の養成も担うなど業務は多岐にわたる。
JFAは10月20日に影山氏の後任として、ナショナルチームダイレクター(ND)を務める山本昌邦氏が技術委員長を兼任する緊急人事を決めた。67歳の山本氏は日本代表コーチやU-20日本代表監督、アテネ五輪日本代表監督、ジュビロ磐田監督などを歴任した豊富な指導歴をもっている。
そのなかで2023年3月にNDへ就任したのは技術委員長の業務があまりにも多く、日本代表と五輪代表だけを統括する新ポストが必要だったからだ。役員が改選される来年3月までの時限措置とはいえ、技術委員長とNDの兼任は、それだけ影山氏の一件が想定外の緊急事態だったことを物語る。
さらにJFAは10月28日の臨時理事会で、倫理やガバナンス、コンプライアンスに関するタスクフォースの発足を決めた。宮本会長が座長を、弁護士の西本強氏が副座長を務めるタスクフォースは計6人で構成され、実効性のある改善策・再発防止策を最高議決機関の理事会に提言していく役割を担う。
空席となっていた技術委員長が決まり、宮本会長肝いりのタスクフォースも発足したが、それで今回の不祥事が及ぼす問題がすべて解決したとは言えない。むしろ懸念は今後に待っているといっていい。







