フランス領への入国禁止と
未成年者に関わる活動禁止

「検察は『影山氏は意図的に児童ポルノ画像を探し求めていた』と指摘した。実際に彼のノートパソコンの視聴履歴には1621件もの児童ポルノのAI生成画像があっただけでなく、実在する人物も検索していた。機内では10歳くらいの少女の画像を閲覧していた、とする客室乗務員の証言もある。

 彼に言い渡された判決には今後10年間にわたるフランス領への入国禁止だけでなく、同じ期間内に未成年者に関わるいかなる活動を禁止する措置も含まれ、さらにフランスの性犯罪者の司法登録名簿に名前が記載された」

 世界中に不祥事が知れわたった影山氏は、有罪判決を受けて釈放された直後に帰国。電話で連絡を取った宮本会長が「かなり憔悴した様子だった」と明かした同氏は、どのような経歴を持つ人物なのか。

 福島県いわき市で生まれ育った影山氏は現在58歳。福島県立磐城高校から筑波大学へ進み、1990年には日本サッカーリーグ(JSL)の古河電工(現・ジェフユナイテッド千葉)へ加入し、1993シーズンに産声をあげたJリーグでも1994シーズンまでの2年間でディフェンダーとして54試合に出場した。

 1996シーズンに29歳で現役を退いた後は、悲願のワールドカップ初出場を果たした岡田ジャパンの対戦国分析担当としてアジア予選やフランス大会に帯同。その後はドイツへ留学して指導者の道を歩み始め、サンフレッチェ広島のコーチやマカオ代表監督、U-16シンガポール代表監督などを歴任した。

 さらに当時J2のファジアーノ岡山のコーチや監督などを務めた後の2015年からは、JFAの地域ユースダイレクターやナショナルトレーニングセンターコーチとして十代を中心とした若手世代を指導。U-20日本代表監督やJFAのユース育成ダイレクターなどをへて、昨年3月に技術委員会のトップに就任した。