ジャワ氏は、知名度で劣るダイキンをインドで売り込むため、まずは市場調査に注力。「Affordable Premium(手頃な良品)」と呼ぶ製品群を駆使した販売戦略を練り上げた。「(成功は)インド(子会社)に対する、本社の理解と信頼、支援のおかげだ」とジャワ氏は語る。23年からは、大阪市にある本社の取締役兼専務専任役員も務める。
商品の「現地化」を徹底し
故障率の高さを解決
成功のもう1つの要因は、商品の「徹底した現地化」だ。同社のインド事業では、他国と比べた故障率の高さが課題だった。
そこで13年以降、ニューデリー近郊の生産拠点でインド人技術者が中心になって調べ、その原因がわかった。定格電圧は230ボルトなのに、実際の電圧は160~250ボルトになるなど安定せず、瞬間的に500ボルト超がかかる場合もあり、機器損傷の一因になっていた。でこぼこ道を運搬中に商品が壊れるケースも多かった。
電圧の変化に強い部品を採用し、梱包用の段ボールや発泡スチロールで商品全体を覆うよう工夫するなど、インドの過酷な環境でも壊れにくい商品や独自の配送手法を編み出した。
当時から現場で指揮をとってきた現地子会社の永守朗・研究開発センター長は「課題意識を持つインド人技術者たちの自発性に任せてみたら、どんどん解決策を見つけてくれた」と振り返る。
同社は現地子会社で現在200万台程度の家庭用機器の販売を、30年に輸出も含めて500万台程度まで伸ばす目標だ。その先に見据えるのは、インドを拠点としたアフリカ市場の攻略だ。
世界人口の約2割を占めるアフリカは「大きな可能性を秘めている」(ジャワ氏)。インドの人びとの心を射止めた低価格・高品質の製品は、同じ新興国・途上国でも受け入れられると想定。インドと気象条件の似た国も多く、現地に根を張るインド系移民「印僑」の存在も販売面で生きる可能性があるとみる。
スズキがインドを拠点に
アフリカで成功した背景とは
インドを製造拠点に、アフリカへの輸出を伸ばした例は実際にある。インドの新車販売で業界首位の約4割を握る、スズキの現地子会社のアフリカ向け輸出は、コロナ禍前の19年度に約2万5000台だったが、23年度には約13万台に増えた。







