スーツ姿の外国人と日本人男性写真はイメージです Photo:PIXTA

インドに進出する日系企業が増える一方で、過去には多くの失敗例もあった。一筋縄ではいかないインドビジネスの成功の鍵を握るのは何か?現地で取材を重ねた新聞記者が解説する。※本稿は、朝日新聞記者の石原 孝・伊藤弘毅『インドの野心 人口・経済・外交――急成長する「大国」の実像』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

日本企業にとって
インドビジネスは簡単ではない

 日系企業を対象とした2023年度のジェトロの調査で、今後の事業拡大先を問う質問に、大企業210社の3割が「インド」と答えた。米国やベトナムなどを上回る数値だ。

図表:日本の大企業210社の約3割が「今後の事業拡大先」にインドを挙げた同書より転載 拡大画像表示

 一方で、日系企業からは「インドビジネスは簡単ではない」との意見も聞かれる。この苦手意識は、日系企業の数々の失敗の歴史に裏付けられている。

 00年代に入って現地でシェアを伸ばした韓国勢などに大きく後れをとった家電分野だけではない。NTTドコモや第一三共など、過去に現地企業の買収などを通じて進出を図ったものの、撤退したケースもあった。

 そんな市場で、業界首位の座を射止めた関西の家電メーカーがある。