管理職へのアンコンシャスバイアス研修が大切
SESSION2は、企業事例として「旭化成株式会社におけるアンコンシャスバイアスへの取り組み」が録画配信された。中原教授と、旭化成株式会社の小田文子さん(理事/人事部DE&I推進室長/株式会社旭化成アビリティ 取締役)が対談し、アンコンシャスバイアス研修の開発担当者であり、セミナーの運営者である広瀬一輝さん(ダイヤモンド社・HRソリューション事業室)がファシリテーターを務めた。
まず、小田さんから、旭化成株式会社の事業と人財戦略についての説明があった。同社は、多様な人財が領域や事業の垣根を超えて活躍し、DE&Iの推進にも積極的に取り組んでいる。女性活躍推進にはまだ課題があるようで、上司の思い込みやアンコンシャスバイアスを減らすために、全管理職に対してアンコンシャスバイアスの研修を実施しているという。女性社員に気を遣う男性の上司が、よかれと思って、女性にタフな仕事を与えないケースもあるようで、中原教授は、「誰もが自分のバイアスに気づくことが最初の一歩」とコメントした。
そして、ファシリテーターの広瀬さんが、「アンコンシャスバイアスに気づいた後で、どのように行動したらよいのでしょう?」と質問すると、中原教授は、「アンコンシャスバイアスはゼロにはできないもの。(バイアスに)つきあっていかなくてはならないと腹をくくったうえで、自分がよくやってしまう行動を自覚すること」と、SESSION1でセミナー視聴者が学んだ方法を繰り返し教えてくれた。
広瀬さんが、今回の対談を通して考えたことを、オンラインセミナーの後で私に次のように語った。
「職場を構成するメンバーの属性や価値観が多様化し、管理職の方にとっては、自身が経験してきたマネジメントが通用しない時代になりつつあると感じました。だからこそ、アンコンシャスバイアスについて学び、自らも(バイアスを)持っていることに気づき、これまでの行動や判断を見直す機会を持つことが、今後ますます重要になると思います」(広瀬さん)







