Photo:Donald Iain Smith/gettyimages
全ての仕事がAIに代替される未来でどう生き残るべきか?キーは「AIに見つからないところに自分しかできない仕事を維持すること」。それができる人には実は条件がありそうで??特集『DX2025 エージェントAIが来る』(全22回)の最終回は、赤裸々座談会の最終回。IT業界、コンサル業界はどうなるのか?(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
Henry @HighWiz 大手SIerの大規模プロジェクトのPMを経て総合コンサルで活躍中
ケビン松永 @Canary_Kun 大手SIerから独立してフリーのITコンサルやってます
よんてんごP @yontengoP ブラックIT企業を渡り歩く病人X(旧Twitter)er。最近はブラックでなくなったらしい
むぎSE @MUGI1208 社内SE社畜ツイッタラー。炎上プロジェクトの遭遇率が高め
shin @shin_ofshins ウェブとアプリに詳しいコード書く系スタートアップ経営者
かち @kachi_saas 諸事情で外資ITソフトウエアベンダーを卒業★した人
きっとこれからはAIに嗅ぎつけられない現場の
ハンズオン情報をどのくらい握るかで勝負が決まる
――そういえば「AIを使い込むことで本人自身の能力も向上する」って論文が出てました。
Henry まぁ優秀なメンターが付いてるようなもんだからね、そりゃそうよ。しかもほとんどの人が苦手とする論理に強いから、AIと会話してるだけで考え方の型を身に付けられるよね。
ケビン松永(ケビン) 従来の知性は「巨人の肩に立つ」(=先人の知恵に乗っかる)という感じだったけど、AI時代は巨人を横に並べたり、ピラミッド型にしたり、はしごを掛けたりして、巨人を自由にカスタマイズできるようになった。でも、それってエレベーターやエスカレーターみたいに自動で上に連れて行ってくれるわけじゃない。だから、そもそも「自力で巨人の肩に登れない」人、つまり基礎スキルがない人には、結局使いこなせないんだろうなと思いますね。
――なるほど、AIを使いこなす側にも基礎スキルが必要だと。でも、それだけで生き残れるかというと、ちょっと不安じゃないですか?
ケビン 自分は生き残りのために、2回目(本特集#4)に出てきた「動かないはずのシステムを謎テクで直してずっと動かしていたおばちゃん」みたいになろうかなと思ってたりしますね(笑)。
AIがここまで強くなると、もう仕事を属人化させて「俺でしかできない領域」をつくらなければ生き残れない。ネットで検索すれば出てくるような情報には、もう価値がなくなってくる。だから、パブリックなAIがアクセスできないような「クローズドな情報」や「ここだけの話」を、どれだけ持ってるかが勝負になる。要するに、AIに見つからないクローズドなコミュニティーとか、ニッチな場所に自分の強みをつくって、AIが戦えない場所に自分の土俵をつくっていく感じかな。
結局、最前線の現場でちゃんと手を動かし(ハンズオンで)続けている限りは、何だかんだ生き残れる気もしてる。「これは俺しか知らないよ」っていうノウハウは、現場にはまだまだいくらでもあります。最前線でやってる人の業務や経験って、全然データ化もされてないし、キレイに整理もされてない雑多なノウハウの固まりですからね。
かち その「ハンズオンできる打席、砂かぶり席」を確保して経験を積むのがこれから若手には難しくなりますよね。本当のディストピアはたぶんこれから駆け出しの人の前にある。
shin アメリカではすでに新卒採用はなかなか厳しいっていうもんね。コンピューターサイエンス専攻出ても、就職できないって。
むぎSE コンサルの若手はもう物理的に肉体を駆使するしかないですね。「常に出社して顧客のおそばに座ります!」みたいな。
よんてんごP(4.5P) よしよしするスキルだけ習得させて送り込めばいいじゃん。大阪・船場吉兆のささやき女将みたいな感じ。「寄り添いに参りました」って。「感情奉行的」な。
――Henryさんのとこはどうです、「コンサルの若手はAIでどうなる」事情。今後コンサル業界はどうなるとみてますか?







