「みんなだってこれくらいしんどいだろう」と勝手に思ってみたり、「自分だけが甘えてるんじゃないか」と自分を責めてみたり。

 そもそも「みんなが」とか「自分だけ」とか他人と比べる必要はないんです。それぞれバックグラウンドも違えば、状況も、本人の性格も何もかも違うんですから。

 自分が「しんどい」と思ったら、それはもう「しんどい」ってことです。

 ただ、「しんどさ」になかなか気づけない人も多いです。

 そういう人は、「いつもと違う自分」に目を向けてみてください。

 たとえば、

 ・なんだかイライラする
 ・SNSに誰かを傷つける言葉を書いてしまった
 ・暴飲暴食をしてしまった
 ・お風呂に入るのがしんどい
 ・朝、起きるのがつらくなってきた

 などです。

 普段の生活の中でこういう「いつもと違う自分」に気づいたら、「何か我慢してることやストレスになっていることはないか」を考えてみるのです。

「あ、私、今ストレスいっぱいかも」「私、つらい気がする」そんな自分に気づいたら、思いきって休んだり、自分をケアするスタート地点です。

 これは僕が30年以上人間をやっていてたどり着いた真理なんですが、ごはんを美味しいと思えないときは、何をやってもうまくいかない。

 がんばる前に、しんどい気持ちをまずはケア。

 これ、大事なことです。

疲れがたまる前から
ケアやご自愛が必要

 人間には1人ひとり「容量」があります。

 体力もメンタルも無限ではありません。

 けっこう、あっという間に限界に到達したりします。

 気づいたら起き上がれなくなっていた、会社に行こうとすると涙が止まらない……なんてことはいくらでも起こりうるのです。

 しんどいときはイヤなことばかり目につくし、みんなが敵に見えるからうまくいくものもうまくいかなかったりして。怒りの沸点も低くなるし、小さいことが気になったりもします。

 こんなふうに「しんどい」「もうイヤ」と思ったときは、ゆっくりお風呂に入り、よく寝て、しっかり食事をとってみてください。

 するとどうでしょう?

 嘘みたいに疲れがとれず、相変わらずしんどいのです!

 たまった疲れというのは、そんな一朝一夕でとれるものではありません。だからこそ、たまる前からケアやご自愛が必要なのです。

「体」はマッサージに行ったり、ストレッチをしてケアするのに、「メンタル」は全然ケアしない人が多すぎますよね。