
精神疾患は、誰でもかかる可能性のある病気だ。厚生労働省の令和2年(2020年)患者調査によると、精神疾患を有する外来患者数は約390万人。日本人の約30人に1人が精神疾患を抱えているということになる。大切なのは、早期発見と早期治療。どんな症状が出たら医者に行くべきなのか、紹介しよう。※本稿は、武神健之『未来のキャリアを守る 休職と復職の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
原因がわからず
眠れないときは医者へ
ストレスによる症状には精神症状、身体症状、行動の変化の3つがありますが、医者に行くきっかけは本人が身体の不調を自覚して、というケースが多数を占めます。
ただ、まだ医者にはかからないでいい症状や、どの程度の症状があったら医者に行くべきなのかは、多くの人にとって判断が難しいでしょう。
実際に、私の産業医(編集部注/事業場において労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師)面談に不調症状を訴えながら来る人には、自分の症状が医者に行くべき症状なのかを聞きたくて来られる方が多くいます。
どの程度の症状のときに医者に行くことをすすめているか、紹介します。
・睡眠が取れずパフォーマンスに影響が出ているとき
毎日爆睡は問題なし。
たまに、寝付けないときや夜中に目が覚める、早朝に目覚めるときがあっても、翌日の会議や苦手な人との打ち合わせやプロジェクトのピークなど、その原因がわかっているときは、ある程度普通のことですからセーフです。