政治・思想系のなりすましアカウントの具体例は、具体的なアカウント名とともにバンバン報告されている。無論日本だけでなく海外でも問題になっていて、米国でも自称国内在住のアカウントが複数、国外在住だったことが判明している。中にはフォロワー数十万~100万を超える大型アカウントもあったようである。
それくらいの規模のアカウントまでなりすましの可能性が出てくると、俄然他人事でなくなってくる。日頃「うんうん」と投稿にうなずいていたアカウントが、実は所在地・経歴を詐称しているかもしれないのである。
Xの新機能実装によって、所在地・国偽装のアカウントのいくつかは削除されるなどして姿を消した。先に挙げた日本を悪く言う自称日本人女性のアカウントは、日本在住でないことを隠そうと工作した形跡が認められたが、翌日にアカウントそのものが消えてしまった。
「所在地特定」機能の“穴”とは?
こうした成り行きを見ると、Xの狙い通り、「アカウントの透明性の確保」は一定の成果をあげているといえよう。
ここまでなら「Xナイス、よくやった」でよかったのだが、事はそう完璧には運んでおらず、むしろ結構穴があって新たな問題を引き起こしてもいた。X側で所在地を特定する機能の精度が100%でないのである。
代表的な例では結構大きくネットニュースになっていたので知っている方もおられるだろうが、NHKの公式アカウントの所在地が「United States(米国)」となっていた。よりにもよって日本の公共放送の所在地が米国とはどぎつい皮肉がきいているようで、それゆえさらに本件は耳目を集めた。
また、正真正銘日本在住の人が海外在住と表示されるケースも散見された。詐称する意図のない人に訪れるこうしたバグは、完全にアプデがもたらしたとばっちり被害である。
こうした特定ミスのバグの原因は複数の可能性があって、格安SIMとか使ってる通信会社の環境とか最近の渡航歴とか、よくわからない要素だらけなので素人には意図して回避するのが難しい。
X側でも所在地特定機能の精度の不完全さは認識していて、製品責任者のニキータ・ビア氏の発信からも「継続して開発を進めて精度を高めていく」姿勢がうかがえるが、NHKはまだ米国所在となっているので(11月26日現在)、なかなか簡単にはいかなさそうである。







