意図的に所在地を偽装する方法

 専門家の調べで、VPNを使用すると所在地を意図的にごまかせる可能性も指摘されている。「VPNなんてまたわけのわからない嫌な横文字が出てきた」と思われるかもしれないが、安心してほしいのは筆者もそう思ううちの1人だということである。「VPN」は、様々な場所で見かけはするが理解することを放棄してきた単語の代表格である。

 VPNとは「バーチャル・プライベート・ネットワーク」の略で、ネットにつなぐ時に自分の情報を「隠して、さらに守るもの」らしい。

 ネットにつないだ時、自分の通信の情報を守る方法は何通りかあって、その中のひとつがVPNである。日本昔話に、着ると姿が消えて見えなくなる「天狗の隠れ蓑」というのがあるが、あれにさらに防弾効果をもたせたのがVPNのイメージである。

 Xに話を戻すが、意図的に所在地を偽装するための方法のひとつとしてVPNを利用する手がある、とのことである。

 現時点のXでは、「アカウントの所在地」のところに盾マークやら「!」マークやらをつけて注意を促し、「この所在地の表示は100パー正確なわけではありませんよ」という補足説明をつけて運用されている。

 そんな状態なので、真の「なりすましアカウント」をあぶり出せたのはよかったが、Xの誤判定によって被害を被っている人もいる。

 所在地や所在している国の特定は、そこをぼかしたいアカウントにとっては不要な情報である。VTuberなどは匿名性や経歴不詳なところに価値の一端があるので、たとえば「天界に住んでいます」という設定でやっているVTuberの所在地がわざわざ「日本」と表示されてしまえば、ファンは「そりゃそうなんだろうけど…」とちょっと興ざめである。

「アイドルは用を足さない」「いや足す」という、不毛というか、哲学的な論争がかねてからあるがテーマはあれに近い。一部の発信者にとっては自分の世界観のためにぼかしておきたい領域を、Xの新機能が暴いてまわっているわけである。

 そうした人たちにとって、Xの新機能は「アイドルって用を足すんだぜ!」と得意げに吹聴して回る小学生男子のようなものに違いない。