なお、所在地はデフォルトだと国が表示されるが、「地域/大陸」を表示させることもできる。所在している国を表示したくない人には有用なオプションである。

 目につくところでXの新機能が引き起こしている問題はもうひとつ、人を下げる嘘のパターンがひとつ増えた。

 有名なアカウントを挙げて、「実はあのアカウントは◯◯国所在だよ」と吹聴するわけである。狡猾なやつは2枚のスクショを並べて、片方はアカウントのトップのスクショ、もう片方を別の国が所在地として表示されているスクショになっていて、簡単な警戒心を持っておかないとつい「この人経歴詐称なの?」と騙されてしまう。

 他のユーザーが違和感を指摘してくれているとGlok(AI)が「これ意図的に誤解を生ませようとしてるって指摘されてます」を注意メッセージを表示してくれはする。

インスタやTikTokではどうか

 Xのこの新機能は2019年に計画が発表され、その後臨床的にデータを集めながら開発が進められ、このたびついにリリースに至った。たしかにXを使っているとなりすましやbotも大量発生していて、魑魅魍魎としている印象がある。

 まだ不完全であるとはいえ、アカウントの透明性確保はユーザーにとってぜひとも成し遂げられたい課題である。

 こうした取り組みはInstagramにもあって、利用開始日とアカウント所在地(国)の2つを確認することができる。

 Xではかつて認証バッジを著名で信頼できるアカウントにつけていたが、やがてシステムが変わって課金をしなければバッジが得られなくなった。

 TikTokではXのシステム変更以前の認証バッジ制に似ているシステムがあって、公式から付与される認証バッジをもって「なりすましにあらず」と一目瞭然となる。

 ただ認証バッジはある程度の規模のアカウントにつけられるのが主なので、一般ユーザーにはなかなか縁遠い。

 フェイクニュースという言葉が出てきたのはここ数年だが、その分野の技術の進歩は日進月歩である。最近はAIが簡単にリアルな動画を作ってしまう時代になってきて、ネットにアップされた情報の真偽を精査する必要がますます高まってきている。

 AbobeやYoutubeといったデジタルコンテンツを取り扱う企業では本物のカメラで撮られたか、画像改ざんが行われたかなどを示すC2PAというラベルを導入、あるいは導入を検討している。

 偽を作るテクノロジーと、それを見破る、あるいはそれを防止するテクノロジーの戦いである。いずれにせよ情報の精査にはなんでも鵜呑みにすることなく、一定の警戒心を胸に主体的であった方が安全性は増す。

 Xの新機能はまだ不完全な部分を残しているので、情報の補完的に利用するのがよろしかろう。