日経平均株価は10月末に高値を付けた後、値動きの荒い展開が続いている Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages
日経平均株価が7479円も上昇した歴史的な1カ月から一転、11月以降の日本株は荒れ模様だ。特に日経平均株価への寄与度の大きい「AI関連株」の値動きが激しくなっている。AIバブル崩壊懸念も台頭している中、個人投資家の取るべき戦略とは?連載『株式相場の歩き方』の第2回では「非AI株の逆襲ターン」とそのときに狙うべき銘柄群について考える。(株式コメンテーター 岡村友哉)
AI銘柄の一喜一憂で
日経平均の変動幅が拡大
9月以降、天まで届けという勢いで上昇していた日経平均株価(以下:日経平均)でしたが、10月末に5万2411円の高値を付けた後、11月に月が変わると「手のひら返し」とも言えるレベルで豹変。上昇トレンドが転換し、ひと頃の「どうやったら日経平均は下がるの?」という勢いは見る影もなくなりました。
それにしても上にも下にもよく動きます。この表は、過去1カ月の日経平均の前日比騰落幅(左軸)と、日経平均のボラティリティー・インデックス(右軸)を並べています。
前日比騰落幅の棒グラフを赤くしている箇所が「前日比1000円超の変動」となった日ですが、この期間の23営業日のうち7営業日が該当。もちろん、日経平均の絶対額が5万円台になっていますので、1000円変動といっても率にすれば2%前後ではありますが……、指数で2%は結構大きな変動です。
頻度的にこの1カ月は「3日に1回は1000円超の変動が発生」しているわけです。こうなると、さすがに価格に対する感覚(レンジ感)は破壊されていきます。
過去1カ月を振り返ると、10月の前日比1000円超変動は全て上昇時に発生していますが、11月は5日、そして18日、21日と下落時に発生。下がるときに大きく動いているということで、10月までの値動きの逆回転が11月に起きていそうです。
上昇相場が転換したわけですが、何を理由にして起きたのか?市場で一般的に言われている売り理由は複数あります。よく指摘されるのは以下の4つでしょうか。
(1)FRB高官から「利下げは今後慎重にする必要がある」といった発言が目立ち始め、米国の12月の利下げ期待が後退したため
(2)高市早苗首相の台湾有事発言の後、中国政府が日本への渡航を控えるよう注意喚起。訪日中国客の激減や日本製品不買運動に発展する懸念が浮上したため。
(3)高市政権の財政拡張&金融緩和的姿勢で債券安(金利上昇)と円安が加速し、株安も重なって“トリプル安”となっているため。
(4)AI株バブルへの意識が強まっているため。
でもこれ、全部が売り材料って言えますか?
日本株は4つの不安を乗り越えられるのか。次ページでは岡村氏が個別株投資をする環境は悪くないという根拠に加えて、「AI銘柄の次」の投資アイデアを紹介する。








