サウナで“ととのう”は
実は思い込みだった!?

 近年、日本では「サウナブーム」が続いています。

 サウナ、水風呂、外気浴を何度か繰り返して得られる、いわばサウナハイの状態を指す「ととのう」という言葉が大バズりして、2021年には新語・流行語大賞にノミネートされたほどです。

 しかし、サウナはもともと真冬に外出できず、汗をかけないフィンランドの人たちが、体温調節機能を刺激し、汗腺が閉じないようにするために普及した経緯があります。

 フィンランドのように1日中寒くて外出が難しいような地域では汗腺に適度な刺激を与えることは問題ないのですが、日本人が高温多湿な真夏にサウナに入るというのは、まさに「地獄巡り」をしているようなもので、自律神経によいことはひとつもないと断言します。

 そもそも、サウナや熱いお風呂など、脳温度が上昇する過酷な環境では、脳温度を平常に戻そうとして自律神経が必死に働くことになります。そうなれば、脳はどんどん疲労する一方なので、「サウナでととのう」というのはただの思い込みにすぎません。

休日の早朝ゴルフには
命の危険が潜んでいる

 仕事が終わってからジムで汗を流すと、ストレス発散になって疲れが吹き飛ぶ、という人がいます。ただそれは、運動によって脳内麻薬と呼ばれる物質が出て、疲労感を隠してくれているだけで、疲れがなくなったわけではありません。

 仕事で自律神経が疲れているのに、さらに運動して自律神経を酷使させるのは、まさに泣き面に蜂。当然、疲れもストレスも倍増してしまうことになり、人体にとって危険な行為と言えます。

 また、平日の疲れを溜めた状態で、休日の早朝にゴルフをするのもやはり危険です。まず、早起きによる睡眠不足で、疲労が回復できないままにゴルフ場に出かけることになります。

 打ち損じれば左に右に走り回ることでしょう。血圧も呼吸も高まった状態でグリーンに到着。そこでパットを打つとき、うつむいて息を止めるので、脳の血管がプツっと切れてしまうのです。

 早朝は自律神経も完全に機能していない状態。脳出血や心筋梗塞を起こしやすいので、少しでも疲れを感じているなら、終業後や休日は休息に当てましょう。