成績が伸びない人ほど
「問題集の周回」にこだわっている

 よく問題集を1冊解いたあとに、2周目と称して再度全問解く人がいますが、それは時間の無駄。基本的には、1週目で解けた問題が、後から苦手になる人はいないはず。何回やっても解ける人がほとんどかと思います。

 だからこそ、特定の問題集の「周回」にこだわるのではなく、解けなかった問題だけを集めて、「自分だけの難問集」 を作ることが重要なのです。

 ちなみに僕は、解き方が合っていたのに、計算ミスをしたせいで間違えた問題は難問集に入れませんでした。あくまでも、問題をパッと見た時に解き方の道筋が瞬時に分からない問題だけを集めました。

 また、問題文を読み、実際に手を動かして答えを導き出しているとかなりの時間がとられます。そのタイムロスを防ぐために、問題を見て、頭の中で5秒ほど解き方を考えた後、すぐ答えを見るようにしていました。解き方が合っていれば、その問題はクリアです。

 こういった工夫をすると、解き方の確認も含めて、1問1分くらいのスピードで問題を処理できます。周りのライバルは紙と鉛筆を使って、1問10分くらいかけて問題を解いているはずなので、その10倍ぐらいのスピードで成長できると考えていました。

普段から努力と工夫をしているから
受験直前期のペースアップは不要

 受験直前期になると、通常はどの高校にするのかに皆頭を悩ませますが、中3になった僕の目には灘高校しか映っていませんでした。

 本来は校風だとか、どんな教育をしているのかなど、いろいろな視点から総合的に高校選びをするべきでしょう。僕は視野が狭かったかもしれません。関西出身の僕にとって、通える範囲内で入試が一番難しいのが灘高校だからという、ただその1点が志望理由でした。

 とはいえ、そもそも中学3年間がすべて受験直前期のような生活だったので、受験直前だからといって急激に勉強のペースを上げることはありませんでした。塾で時間を計りながら過去問を何年分も解いたところ、ほぼ合格圏内。落ちることはないだろうと自信をもって本番に臨みました。