「自由な時間」をつくり出すには、自分軸でやることを選んでいく必要があります。

 受け身のままで、タスクと時間に追われるのではなく、自分で時間を獲得するためにも、重要なことを選び取るドイツ式の基準を身につけてみましょう。

固定観念にとらわれて
無駄な仕事をしてしまう日本人

 また、日本人は「上司だから」「年下だから」という固定観念で「やらなきゃいけないこと」を増やしてしまうことがあります。

 たとえば、上司だから、やらなくてもいいところまで部下の仕事を手伝ってしまう。

 年下だから、朝早くに来て備品の補充をしなければならない、などが挙げられます。

 もちろん、話し合ったうえで決まっているルールなのであれば、その「役割」はきちんと果たすべきでしょう。

 ですが、特に決められているわけでもないのに、「~だからしなければ」という固定観念にとらわれて行っているのであれば、それは「やらなきゃいけないこと」には該当しません。

 ここでいう「役割」というのは、固定観念からくるものではなく、自分の専門性という意味であることを忘れないでください。

 これは、家庭内においても同様です。ドイツでは、家事の内容も明確に役割分担をしています。「妻だから」といった固定観念で決められたものではなく、お互いに話し合ったうえで決めた役割です。

 たとえば、夫が料理担当、妻が洗濯担当と決めた場合は、相手が忙しそうであっても、代わりにやってあげることはありません。もしやるとしたら、「今日はこういう理由だから交代しよう」とお互いに話し合って納得したうえで、相手の役割を担います。

ただのお人好しにならぬよう
無駄な仕事は断る決意を

 日本でよく見かける「気付いた人がやる」「家のことは妻がやる」という曖昧な基準で役割分担をしていると、特定の人に負担が偏ることがあります。

 もともと役割を決めているからこそ、お互いに自分の時間をつくることができるのです。

「役割分担」をするときに、なぜか自分ばかり仕事が増える人もいるでしょう。