「2007年以降のことについて、『備忘録』をそのまま引用します。『取締役となった元夫は事務所が会社として機能していないことや、メリーの息がかかった他社に利益が行っていること、このままでは相続税が支払えないのではないかなどの疑問を感じ、税理士を変えることや、普通の会社としてあるべき姿に、自分自身が取締役として変えていこうとしたところ、ジャニーから元夫に2007年に内容証明が届き、そこから双方弁護士を入れて協議』。これは会見で井ノ原さんが読み上げられた手紙の内容にも通じてくる部分だと思うのですが、まずその理解は間違っていませんか?」

「はい。合っています」

「一応、手紙のその部分も読み上げます。『事務所の改革をしようとしたり、タレントや社員の環境を整えようとしたこと等で、2人を怒らせてしまったことが発端で──』。つまり、元旦那さんは、あるいはジュリーさんも、ジャニーズ事務所を普通の会社にしようとしたということなんですね?」

「その通りです」

会社としての基本的な整備もなく
タレントとの契約も不備だらけ

「ジャニーズ事務所はどういった点で機能不全を起こしていたのですか?」

「もう何もかもです。残業規程がなかったこととか、労働基準法的な整備が何も進んでいなかったことだとか。タレントへの支払いも不備だらけでした。最初の契約書からほとんど改定もされておらず、その人のキャリアがまるで反映されていない。グッズが売れてもボーナスなんて支払われていなかったですし、頭を抱えることばかりでした」

「会社としての基本的な整備すら、メリーさんは『良し』としなかったんですか?」

「母は何事も自分で決める分にはいいんです。でも、下の人間が何かしようとすることには強烈な拒否反応を示す人で。経理のシステムを変更するために税理士さんを変えてもらおうとしたことがありました。大手の税理士法人に入ってもらって、きちんとしたルール作りをしようという判断だったのですが、『あの人を辞めさせるなんて何事だ!』ということになってしまって。それが大問題に発展したり」

「なるほど」

「はじめのうちはメリーと夫の関係も悪くなかったんです。それこそ私の知らないところで取締役にしたり、新しい会社を設立したりしたくらいなので。でも、どこかの段階で彼はメリーの逆鱗に触れたんだと思います」