「首都圏中学入試2026」開智所沢、栄東、渋幕と千葉御三家はどうなるのか?四模試志望状況から見た1月入試最終情勢予想【男子受験生編】栄東の10日[A日程]は、[I(東大・難関大)]に名称変更される。日本最大級の受験者数は前年並みを維持しそうな勢い(さいたま市見沼区)

2026年首都圏中学入試まであと1カ月を切った。どの学校のどの入試が人気を集めているか。また、狙い目の入試はどれなのか。模擬試験で受験生が選んだ志望先の状況を基に、26年入試の最終動向を見ていく。今回は1月入試の男子受験生編である。(ダイヤモンド社教育情報、森上教育研究所)

微減傾向の男子受験生と東京会場の出張入試

 クリスマスとお正月の年末年始の行事が終わると、首都圏ではすぐに1月入試が始まる。第一志望なのかお試しなのかはさておき、どの入試を受けるか、師走は併願戦略の最終調整に余念がない時期だろう。今回は主に10月に実施された四模試の志望者動向から、2026年入試の行方を占いたい。

 大勢が判明する10月中に実施された四模試の受験者数合計は、対前年同期比で、全体では0.3%増とほぼ同水準となっている。うち男子は0.2%減で女子は0.8%増となった。模試ごとに見ていくと、サピックス(19日実施)の男子は1.7%減で、難関校離れがじわじわと進む様子がうかがえる。

 一方、男子2.4%増と受験生を増やしているのが首都圏模試(11日実施)で、中堅・中位校人気が26年も衰えないことをうかがわせる。四谷大塚(4日実施)の男子は1.1%減、日能研(5日実施)は同0.4%減と、上位・中堅上位校はやや弱含みなのかもしれない。

 今回は1月入試の男子受験生編が対象である。四模試合計の志望者数の増減は主に10月模試による。この合計が30人に満たないような入試回については、変動幅が大きいため、原則として増減の傾向を示すにとどめる。なお、前年同期比での増減がそのまま実際の倍率に跳ね返るわけではない。あくまでも勢いを示すものとして考えたい。

 入試の難易度については、四谷大塚「合不合Aライン80偏差値」でランク分けした。難関はAランク(65以上)、上位はBランク(60~64)、中堅上位はCランク(55~59)、中堅はDランク(50~54)、中位はE・Fランク(45~49・44~40)、そしてGランク(30台)である。

 各入試回は入試日[入試名]の形で記した。25年受験者数・実倍率(受験者数÷合格者数)も併記した。また、データが男女合算の場合、25年入試での男女受験者数に基づき案分しているものもある点を最初にお断りしておきたい。

 まずは東京会場で行われる出張入試を男子校から見ていこう。一番人気は海陽中等教育学校(愛知・蒲郡市)である。難関・上位校受験生の腕試しとなるAランクの12月13日[特別給費生]が全国各地で行われる。1割前後の増加基調が続く東京会場の受験者数は23年343人、24年287人、25年355人(実倍率3.5倍)と隔年現象が見られたが、26年は続伸しそうだ。東京も含め全国で3回行われるDランクの一般入試は中堅校受験生には受けやすい。12月20日[I](748人・1.3倍)は1割半増、1月6日[II](144人・1.8倍)は5割半増と、こちらも上昇傾向にある。

 青雲寮もあり医学部志望者が多い北嶺(札幌市清田区)は、Cランクの8日[一般東京](194人・1.3倍)が9月の3割増の勢いから微増まで緩和、志望者数のごく少ない[一般特待](118人・14.8倍)は大きく緩和傾向にある。同じ日に行われるCランクの函館ラサール(北海道函館市)[1次東京](197人・1.5倍)は1割半増だが、こちらも受けやすい状況は続くだろう。

 共学校では、早稲田佐賀(佐賀・唐津市)のAランクである12月7日[新思考12月首都圏](176人・1.8倍)が志望者数は少ないながらも大幅増、Cランクの1月12日[一般1月首都圏](771人・1.5倍)も1割増となっている。2回の東京入試を行う佐久長聖(長野・佐久市)は、Eランクの12日[東京1](1572人・1.2倍)が1割減と弱含みになっているものの、志望者数が少なめの13日[東京2](442人・1.2倍)はEからFランクに下がった影響か8割増と勢いがある。

 志望者数が少ない出張入試にも触れておこう。Aランクの西大和学園(奈良・河合町)は6日[東京4科](173人・1.7倍)は前年並み、長崎日本大学(長崎・諫早市)の6日[東京](306人・1.1倍)は増加傾向、片山学園(富山・富山市)のEランク7日[国内関東4教科型]は、230人が受けて1倍と合格体験を得るにはうってつけだ。女子校から共学化する盛岡白百合学園(岩手・盛岡市)の1月7日[東京4科]は志望者1人で推移しており、予想が付かない。FからGランクに下がった静岡聖光学院(静岡市駿河区)の8日[一般東京](200人・1.1倍)と[特待東京](133人・非公表)は微減傾向と減少傾向にある。Cランクの愛光(愛媛・松山市)は9日[東京](133人・1.7倍)は減少傾向にある。