大きく変わることはなく
追加コストも発生しない

 しかし櫻井氏は、「オペレーションに新たな負荷がかかることはない。配達側の営業所では、朝、午後、夕方に分けて配達する荷物が届くため、SDの動き方が大きく変わることはなく、オペレーションの追加コストも発生しない」という。

 サービス開始から1ヵ月弱が経ったが、「当初から一定のニーズがあることは見えていたが、想定通りのペースでご利用いただいている」と順調な滑り出しを見せている。

東京都発着60サイズの荷物
940円→790円に!実質的に値下げ

 宅急便当日配送サービスの開始と同じタイミングで、新たに「同一都道府県内運賃」を設定した。これまでは地帯別の運賃区分だったが、都道府県別に運賃体系を細分化し、同一の都道府県内を発着する宅急便を対象にした運賃区分を新設したもの。

 これにより、例えば「東京都→東京都」で60サイズの荷物を送る場合、従来940円だった運賃が790円まで安くなる。

「都内発→都内着」宅急便が150円値下げも…ヤマトが「同一都道府県内運賃」に踏み切った狙い当日配送サービスエリアイメージ
図表:「同一都道府県内運賃」の一例「同一都道府県内運賃」の一例
拡大画像表示

 櫻井氏は、「値下げが目的ではなく、コストをより正確に計算した結果として、同一都道府県内については使いやすい運賃になった」と強調する。

 以前の地帯別運賃では、東京都内発着の運賃と東京→名古屋の運賃が同額になるなど、やや不整合な面も指摘されていた。「当然、輸送距離が違えば荷物1個にかかるコストにも差が出る。そうした要素をきめ細かく分析し、運賃に反映させた」と語る。