今年の渋渋(=渋谷教育学園渋谷)の理科では「飛行機のタイヤに酸素が入っていない理由」が出題されました。助燃性は中学受験では普通に出てきますが、渋渋の受験生なら全員、酸素に助燃性があることは知っている。この言葉自体を質問するのではなく、こういう形で問われるんですね。持っている知識をどういうふうに活用するのかを見ているのです。

渋谷教育学園渋谷中学校 2025年度 理科渋谷教育学園渋谷中学校 2025年度 理科

  問われているのは、単純な知識ではなく推理力と思考力です。普段から「何で?」「どうして?」という疑問を持ちながら、自分で考える癖をつけるように、親子で一緒にクイズのようにして考察を楽しんでほしいんです。 

麻布中学校 2025年度 理科 大問4問9麻布中学校 2025年度 理科

 理科つながりで言えば、麻布は「らしさ全開」の問題です。2025年の理科では「ティッシュの裂けやすい向き」を問いました。身近なティッシュですが、裂けやすい方向と裂けにくい方向があるそうです。何気なく使っている日用品も観察対象になるってことですが、特出すべきは最後に学校からのメッセージが入っている点です。

 問題文に「帰宅してからじっくり実験してみてください」と書いてあります。こんなメッセージ、入試問題に書く必要はないんですよ。でも、麻布は帰宅後に実験するような子を求める学校なんです。