これは大学入試も一緒で、ちょっと前までは大学入試も似たようなものだったんです。しかし、今はお伝えしてきたように、思考力を測る問題にシフトしています。それは、個人的にはすごくいいことだと思います。受験のために知識を暗記するより、思考力が身についたほうが子どもの将来にとって役に立つはずです。

 ですから、親御さんは難しいと思わないでほしいんですね。むしろチャンスが広がったと思って、家庭では普段からいろんなことを考えさせる練習をやる。自由に発想したり、自分の意見を持つということを習慣付けてあげてほしいです。家庭でお子さんとたくさんコミュニケーションを取ることが、受験対策になります。

 もし、自分が求人票を目にする機会があったら、子どもにも見せてあげてください。親としては日常生活の中で様々な機会を与えてあげることが大事です。子どもと一緒に見ることで、大人にも発見があるものです。 

 たとえば、結露。暖かい空気を含む水蒸気は、冷たいものに触れると水滴に変わりますよね。これは、空気が冷やされることによって飽和水蒸気量(=空気の温度によって、その空気が最大限に含むことができる蒸気の量を指し、温度が高いほど多くなる)が下がり、含みきれなくなった水蒸気が液体に戻るためです。こういう普段の暮らしの中で「こういうことなんだね」という会話をしたことがあれば、試験に出たとしても難なく答えることができます。

――これからの季節の窓ガラスの結露は嫌なものではなく、絶好の教材なんですね。

 ニュースも子どもとコミュニケーションをはかる絶好の機会です。今現在、高市首相の答弁や自民党と日本維新の会の連立など、国会に注目が集まっています。開智の2024年の特待Aの社会では、国会の委員会と本会議の座席配置の理由を問うたものが出題されました。委員会と本会議では議員の席のレイアウトが違うじゃないですか。これにはちゃんとした理由があって、本会議と委員会の性質の違いを理解していれば答えられる問題なんです。

開智中学校 2024年 社会開智中学校 2024年 社会