やはり、突き詰めると親の姿勢に尽きます。日常生活でのあれこれも「そういうもの」と親自身が通り過ぎてしまいがちです。国会中継の画面を見ていても、並びがどうだとかは疑問に思わない。ルールとしては覚えても、その原理原則までは、ほとんどの親は説明できないんじゃないですかね。
だからこそ、親自身が中学受験で求められるような社会の見方を持っておかないと、子どもに必要なチャンスを提供できない。しかし、この「なぜか」を知った人は国会中継ひとつとっても見え方が変わるはずです。
声の教育社代表が教える
過去問の賢い使い方
――ちょうど今頃はそれぞれのご家庭で過去問攻略に余念がない時期かと思います。過去問の賢い使い方を教えてください。
過去問をうまく利用するってことですね。例えば、麗澤は算数でも文章で答えさせる問題が出るんですよ。2024年の大問4は「分数のわり算を小学生に説明してください」というものでした。
初めて分数のわり算を学習する小学生に文章で教えてあげてねというのは面白い問題です。「分数のわり算はひっくり返してかけるものだから」ではなく、「なぜ分母と分子を逆にしてかけ算にすると答えが出るのか」を文章で書かないといけないのです。
これは分数とは何かが分かっていないと書けない問題です。麗澤は毎年こういった良問を出してくるのですが、こういう問題を対策して点数を取れたら、偏差値が上位の子に競り勝つことも可能となります。問題の傾向が分かっていれば対策できます。
たとえば、SFC(慶應義塾湘南藤沢中等部)の場合、国語の大問4は必ず変わった問題です。そういう変わった問題というのは試験全体の中の1題として解くとあまり印象に残らないんですが、的を絞って練習すると分かってくるものがあるんですね。
私は「横に解く」という言い方をするのですが、過去何年かの同じタイプの大問だけを連続して練習していくやり方です。スポーツでもそうですよね。バスケットボールならばドリブルだけを練習したり、野球で素振りをしたりしますよね。試合形式の練習だけはしないはずです。それに近いのですが、傾向がわかっている問題を集中して解くことで、共通点や対策方法が見つけやすくなります。
――「横に説く戦法」は何年分くらいやればいいですか?
複数回受験がある学校ですと同じ年度でも数本分になります。なので、何年分ではなく何回分という言い方だと6〜10本分くらいですね。少なくとも、過去問1冊に収録されている試験回数くらいはやったほうがいいです。







