鮮魚で顧客獲得!マグロ一色の売り場も

 坪数は約600坪フォーマットで、青果、鮮魚、精肉を抜かりなく構成することが肝となる。この坪数は郊外型を意味し、同じ600坪フォーマットのベルクとの競争にもなる。

 また、バローでは、生鮮を強みとしたスーパー(タチヤ・フタバヤ・公正屋・てらお食品)を傘下にしたことで、より生鮮を強化している。仕入れは、豊洲・太田市場からだった。

 多くのスーパーが不振にあえいでいる鮮魚部門だが、バローは大胆な鮮魚売り場となっており、仕入れ力の強化によって他のスーパーとの差別化を図っているのだ。

 都市部では、鮮魚カテゴリーにおけるSKU数(在庫管理における最小単位)の増減率がマイナス2.8%と減少している。この状況は、裏を返せば「魚を求めて来店する顧客」を獲得する余地が大きいことを意味する。つまり、鮮魚売り場で他店との差別化が可能になりえるのだ。鮮魚の強化は、関東市場における有効な成長戦略となり得るだろう(2025年スーパーマーケット年次統計)。

 鮮魚部門は、近年進む機械化やAIでは代替しきれない領域であり、仕入れに際しては依然として「目利き」が不可欠となる。そのため人材育成には時間を要し、短期間で成果を出すことが難しい部門でもある。

 店舗内を見ると、頭から尻尾まで販売する1尾売りが対面販売、そして水産対面プールが見受けられる。1尾売りすることで、店側のロスを限りなく少なくしている。

 かねてから力を入れているマグロは、刺身のみならず、大量に壁面陳列し寿司も販売することで、売り場はマグロ一色となっており、強化していることがうかがえる。

オーケー進出で関西スーパー業界が激変!それでも地元スーパーが健闘できたワケマグロ一色の売り場

 入口付近では、果物をふんだんに使用したデザートを前面に打ち出している。デザートを入口で展開するスーパーは他社にも多いが、その多くはフルーツを使わないプリンや杏仁豆腐の大量陳列である。

 青果を使用したデザートは、衛生管理の難しさに加え、賞味期間が短く、粗利を確保しにくいとされてきた分野である。そうした制約がある中で、あえて果物を使ったデザートに挑んでいる点は、同社の売り場づくりの覚悟を示している。

オーケー進出で関西スーパー業界が激変!それでも地元スーパーが健闘できたワケ
オーケー進出で関西スーパー業界が激変!それでも地元スーパーが健闘できたワケ