万代関係者の「おしゃれな商品を万代に来るお客様は望んでいない」という言葉でもわかるように、万代は地元の顧客を深く理解しているのだ。

ライフ:EDLPではなく“高付加価値”で対抗

 首都圏・近畿圏でスーパーを展開するライフは、価格対応からあえて距離を置き、オリジナリティを高める売場戦略にかじを切っている。特にプライベートブランドの「ビオラル」は、どの店舗でも視認性の高い場所に配置され、“こだわり商品”としての存在感を発揮し、売り上げも好調である。

 4つのコンセプトである「オーガニック」「ローカル」「ヘルシー」「サステナビリティ」が含まれる商品を開発し、全店導入できるように価格設定を絶妙に調整している。

 高付加価値帯(500円以上)にビオラルの商品を集中させることで、ブランド全体のプレミアムイメージを強化している。この価格帯は、他のスーパーマーケットと比較しても決して割高ではない。そのため全店導入が可能となり、ライフとしての「高付加価値」を確実に訴求する、緻密に計算された戦略といえる。

 オーケー近隣のライフ高井田店では、ベーカリー売り場を拡大し、おしゃれ感を全面に出した売り場展開となっている。

ライフベーカリー売り場(筆者撮影)ベーカリーは持ち運びも軽く、2個でも購入してもらいやすい。ライフベーカリー売り場(筆者撮影)。ベーカリーは持ち運びも軽く、2個でも購入してもらいやすい。

 決算発表においても、オーケーの影響を示唆するコメントは見られたが、売り上げがマイナスであるとの認識ではない。岩崎高治社長は「関東でも戦ってきている」と述べ、オーケーに対する十分な経験値を有していることを強調した。