平和堂:店舗特性を生かし“おにぎり強化”で対抗
滋賀県を中心に展開する平和堂のフレンドマート武庫之荘店は、オーケー至近に位置し、小型店でベーカリー設備がない。その代わりに店内調理の熱々のおにぎりを販売している。
198円の店舗内調理のおにぎりが大量陳列
一般的にEDLP型スーパーでは、EDLPであるがゆえに弁当価格が低く設定されている。その結果、原価や人件費に充てられる余地が限られ、さらに低価格設定の商品であるおにぎりに十分な人手をかけることが難しい。
一方、平和堂では、おにぎりの価格を極力抑えた198円(本体価格)に設定し、2個購入しても約380円になるように設計した上で、店舗内調理により、手間をかけている。弁当1個分に近い価格帯を意識するうえで、数量購買による客単価の引き上げを狙った戦略で勝負している。
このように関西では、強い価格プレーヤーの進出に対し、各社が自らの立ち位置を見直す局面に入った。
まとめ
多くのスーパーマーケットでは、人件費の高騰や人手不足を背景に、抜本的な仕組みの見直しを迫られている。その結果、店舗運営をより簡素化する方向へとかじを切る企業が増えている。
しかし、販管費率を下げるための過度な標準化は、売り場から個性を奪いかねない。結果として来店目的や来店頻度の低下を招くリスクもはらんでいる。
人口減少が進む一方で、都市部では出店競争が激化しており、既存のスーパーマーケットも今後、淘汰が進むとみられる。
そうした環境下で生き残るためには、単なる粗利確保にとどまらず、長期的な視点で「容易に真似できない売り場」を構築できるかどうかが、今後の明暗を分けることになる。







