【関西】オーケー進出の余波と、各社の“迎え撃つ”戦略
次に関西のスーパーを見ていこう。
2024年からオーケーが関西に進出し、大阪・兵庫へと出店を広げたことで、周辺のスーパーの動きは一段と活発化した。
メディアでは「万代・ライフ・平和堂は苦戦になるのでは」などと報じられたが、フタを開けると状況は異なる。確かに周辺スーパーは一時的に売り上げが落ち込んだものの、その後、プラスに転じたり、売り上げが元に戻っているスーパーもある。
<万代:地域密着の強み×299円シリーズのヒット>
近畿圏を中心に160店舗以上を展開する万代は、従来から“地域密着スーパー”として、近隣の住民に支持されてきた。しかし、オーケーが進出したことにより、広域から顧客が万代にも流れ、来店が増えた。EDLPスーパーは本来、遠方、つまり車での来店が多く、これが万代にとって功を奏したのだ。
さらに万代は、昨年から299円シリーズを戦略商品として強化。カツ丼、冷うどん、パスタ、カツカレーなど一律299円で展開した。部門ごとに原料を分けず、同じ原料を複数カテゴリーで活用することで、仕入れ効率を高め、原料の価値を落とさずに低価格を実現したのだ。
カツ丼299円は、発売するとすぐに売り切れると言う(筆者撮影)
素材を落とさず、カツカレー299円で販売(筆者撮影)
単品訴求ではなく、陳列面全体を「299円シリーズ」で埋めることで、価格訴求力を最大化している。








