現在進められている部活動の地域移行は、こうした経緯から始まったものです。また、こうした動向の中で、2017年に中央教育審議会に「学校における働き方改革特別部会」が設置され、2019年1月には「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」が出されました。

 その中では、「これまで学校・教師が担ってきた代表的な業務の在り方に関する考え方」として14の業務が整理されています。

グレーゾーンの中で
もがき苦しむ教員たち

 それと同時に、国家資格としては「業務独占」となる仕事に実習として参加するための関門として認定試験が導入されました。これはいわば運転免許制度における「仮免許」に喩えることができます。そして、その先にある国家資格取得後に実務についてからの初期研修の整備も進められてきました。

 そして部活動は「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」に分類されています。加えて、「部活動の設置・運営は法令上の義務ではなく、学校の判断により実施しない場合もあり得る」とまで明記され、文部科学省に求める対策として、「部活動ガイドラインを遵守する学校の設置者等に対する、部活動指導員の配置充実」をあげています(*3)。まさに業務としてはグレーゾーンそのものになります。

 こうしてどこからが業務で、どこまでが「自己研鑽」なのかという質的グレーゾーン、さらにはどこからどこまでが労働時間なのかという量的グレーゾーンが広がっていることになります。1年目で辞めてしまう初任者教員の増加も過労自殺という悲劇も、その広大なグレーゾーンの中でもがき苦しむすべての教員を象徴しているように思えます。

*3 中央教育審議会(2019)「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」(2019年1月)、61-74頁