東大生が重視するのは
専門性や選択肢の広さ

 東大の「就職先企業・団体」ランキングでは、1位が東大、2位がアクセンチュア、3位が野村総合研究所、4位がEYストラテジー・アンド・コンサルティング、5位がソニーグループだった。

 ランキングを見ると、進路の特徴がはっきりと表れている。1位の東大への就職者数は179人と突出しており、大学院進学や学内研究機関、附属病院、研究プロジェクトなど、学術・研究を軸としたキャリアを選ぶ学生が非常に多いことが分かる。同大学が依然として日本の学術研究の中核であることを示す結果といえる。

 民間企業では、コンサルティング業界の存在感が際立つ。アクセンチュア、野村総合研究所、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、PwCコンサルティング、マッキンゼー・アンド・カンパニー、アビームコンサルティングといった企業が並び、論理力や分析力を生かせる進路としてコンサルが主要な選択肢になっている。特定の業界に直行するのではなく、汎用性の高いスキルを身につけられる場を選ぶ傾向が読み取れる。

 総合商社では三菱商事、三井物産が上位に入ったが、人数規模はコンサル各社と比べるとやや抑えめだ。

 製造業ではソニーグループ、キーエンス、日立製作所、中外製薬など、研究開発力や国際競争力に強みを持つ企業に就職先が集中している。東大生が企業の知名度だけでなく、技術力や成長性を重視していることがうかがえる。

 官庁・公的機関では国土交通省や理化学研究所がランクインしたものの、人数は限定的で、かつてのような官僚一極集中の構図は見られない。

 金融ではみずほフィナンシャルグループや三井住友銀行などのメガバンクが一定の存在感を示す一方、外資系投資銀行は上位になく、進路の多様化が進んでいることを示している。

 総じて、東大生が安定や伝統よりも、専門性や将来の選択肢の広さを重視し、学術・コンサル・先端企業へと進路を分散させている現状を映し出している。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2025年春の大学別の主な就職先。上位20位以内の企業・団体を掲載。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」より集計、大学院修了者を含む(調査/大学通信)