なぜSBGはオープンAIに入れ込むのか
これまでもSBGは世界の有力なITスタートアップや新興企業に投資し、その企業が業績を拡大したりIPO(株式の新規公開)したりすることで成長してきた。
代表例の一つが、中国のIT大手アリババグループへの出資だ。孫氏は、アリババ創業者のジャック・マー氏と会談した際、たった5分ほどだったがそのビジョンに共感し出資を決めたという。そして見事、SBGの業績拡大につなげた。
翻って今回のオープンAIへの出資比率引き上げは、過去の投資事例と比べても規模が大きい。24年9月に出資を始めて以降、孫氏は矢継ぎ早にオープンAIへの投資を増やしている。SBG単体での出資比率は約11%、投資総額は累計347億ドル(約5兆4000億円)に上る。25年末の追加出資完了によって、投資金額ではマイクロソフトを上回った。
なぜ孫氏はアルトマン氏を高く評価し、その手腕に高い期待を寄せるのか。軸となるのが、米トランプ政権が支援する「スターゲート計画」だ。SBGは、オープンAIとオラクルと共同で計画を実行している。
現時点で判明している投資規模は、最大5000億ドル(約78兆円)。アルトマン氏は、スターゲート計画を通してAIを企業の事業運営だけでなく、社会インフラ分野に持ち込もうとしている。マニュアル化できる業務(形式知)はAIに任せることで、経済や社会の運営をより効率化したい狙いがある。
そうした世界が実現されれば、私たちは、感覚や経験など「暗黙知」の分野に集中できるようになる。具体的には、経済分析やジャーナリズム、芸術などの分野が挙げられる。
さらに、「超人工知能」(ASI)と呼ばれる、AIが人間の知性を超える時代の到来も見据えられている。AIが人間と協働することで、全く新しい医薬品やエネルギー創成法を発見するなどだ。夢物語を現実のものにするために、孫氏は400億ドルもの資金を投資している。孫氏は、勝負をかけたといっても過言ではない。







