巨額投資を実らせるのに絶対欠かせないこと
SBGがオープンAIへの巨額投資を成果につなげるために必要なことを、まとめよう。まず、中長期視点で、SBGの業績が安定することは欠かせない。投資ビジネスという特性上、世界の景気循環や金融市場の環境変化の影響は大きい。
仮に世界的に株価が下落すると、SBGの業績は悪化するだろう。その場合、信用力は低下し、借り入れの返済を急がなければならなくなる。そうなると、AI分野への出資ペースは鈍化するはずだ。つまり、投資のリスク管理を徹底することに加えて、金融ビジネス以外の分野で収益源を確立する必要もある。
また、スターゲート計画で協働する企業にも目を配らせなければならない。25年秋ごろから、オラクルの財務内容が悪化している。データセンターへの投資が急増したせいで借り入れが増加したのだ。AIの開発には計算能力の拡張が欠かせない。SBGがオラクルに出資する必要性も出てくるかもしれない。
そして、オープンAIに対するライバルの動向も見逃せない。グーグルが発表した新型AI・ジェミニ3の性能は、ChatGPT以上と評価されている。中国でも新興IT企業がAIの推論性能の向上を競っている。
あるいは、AIデータセンターを宇宙に構築する考えも増えた。アルトマン氏も、再利用可能なロケット事業への参入を考えているようだ。
オープンAIの事業領域は加速度的に拡大し、必要な資金・資材・人材は増えるだろう。SBGがアルトマン氏の構想を実現するために、投資以外の分野での経営幹部を増やす必要性が高まるとみられる。
投資の世界で高い実績を上げてきた孫氏といえども、一人でできることには限りがある。SBGが、AIやロボティクス、先端素材、ロケット開発などに精通した人材を確保できるかは大きな課題だ。
さらにいえば、オープンAIへの巨額投資の成果を刈り取るには、当面の間、SBGが大規模な経営資源の提供を続けることが必要だ。SBGの利害関係者に向けて、どの時点でどれくらいの収益などをコミットするか、孫氏の経営手腕が問われている。








