またフィンランドのミンナ・ペルトプーロらはフィンランドにて41万6973人を対象に1970年から1998年までの精神科入院患者について調査しました。入院患者は境界知能群(n=416)、軽度知的障害群(n=312)、学習障害群(n=284)の3グループに分けられました。
一般群と比較すると、境界知能群は障害年金の受給率が2.7倍、精神科治療を受けている患者の割合は3.4倍高いことが分かりました。また境界知能群は学習障害群よりも体系的に多くのサービスを利用していました。
この研究データはおよそ20年以上前に収集されたものですが、軽度知的障害群や学習障害群は社会での認知が進み、支援が受けられるようになり入院率が減ってきている一方で、境界知能群は入院率が増加しており、社会で気づかれていない傾向がみえる点で、この調査結果は現在においても意義があります。
こういった背景には、境界知能者の、有給雇用の少なさ、収入の低さ、住宅所有の少なさ、貧困、劣悪な住宅環境、危険な地域に住む可能性の高さ、結婚率の低さ、社会的ネットワークの少なさ、孤独などがあるといいます。
幼少期のトラウマが
精神疾患を引き起こすことも
境界知能の若者においては、感情の認識が難しく、より高いレベルの抽象的な思考が苦手な傾向があり、対人関係の困難が生じやすく、社会的孤立やストレスの増加につながり、精神的な困難を引き起こす要因となります。
また認知機能の制限により、ストレスや感情調整が難しく、対人関係や社会的状況で適切に振る舞うことが難しくなり、抑うつや不安といった精神的問題を併発する可能性が高いことや、学習や社会的適応の困難さから自己効力感の低下につながり、心理的ストレスや社会的孤立のリスクが高まるとされます。
実際、境界知能者には抑うつやパーソナリティ障害、行動の問題、アルコール依存や薬物依存といった問題がより多く見られています。







