日本では2023年の法務省矯正統計表によると新受刑者の約35%相当が境界知能と想定され、概ね一致します。また、生活環境確保の困難さやサポート不足により、ホームレスになるリスクが高いと報告されています。
一部では犯罪行為に巻き込まれやすい傾向があり、適切な社会支援が必要とされます。
知的障害については、障害だけで反社会的行動を引き起こすといった直接的な因果関係は、今日まで認められていません。しかし一方で反社会的行動を起こす対象となる人たちには知的障害の割合は、一般人口における知的障害者の割合よりも高いことは様々な調査で明らかにされています。
国内の矯正施設では知的障害者の割合は2023年で約19%(集団検査による)でした。その要因として、社会福祉士の内田扶喜子らは次のように報告しています。
・知的障害者の犯罪は単純な様相であり警察に認知されやすい、自白しやすい
・被害弁償や反省の弁を言語化しにくい、本人の身元を引き受ける監督者がいない
・教育を受ける機会が限定的で雇用の機会も限定的。容易に失業し住居も不安定
・経済的に不安定になりがち
・社会的に孤立している
・自尊心が低く暗示を受けやすい
・他者から認められたい、集団においてステータスを手に入れたい状況で、反社会的な集団に入ると外的指向性の高さから行動の他律性が高まる
※内田扶喜子ほか「罪を犯した知的障がいのある人の弁護と支援」(現代人文社)より著者が要約
知的障害には場合によって自傷、暴力、衝動性、無断外出、反抗的態度、悪戯、薬物依存、性的逸脱行為といった問題行動がみられることがあり、背景にコミュニケーション行動の低さがみられる場合があります。
『境界知能 存在の気づかれない人たち』(宮口幸治、扶桑社)
どう伝えたらいいか分からない、いわれたことの意味が理解できないといった表現力や理解力の低さが問題行動と関係している可能性も指摘されています。
コミュニケーション行動が低いから問題行動につながるわけではありませんが、境界知能を持つ人たちに問題行動がみられた場合、コミュニケーション行動の改善といった方法も念頭に入れておくべきでしょう。







