
AI・データセンター需要の拡大を追い風に、大手電機メーカーは「脱家電」の先にある勝ち筋を競っている。各社はITサービス、社会インフラ、AI・半導体部品、エンターテインメントなど、異なる成長軸を磨く。今回はこれら大手7社を取り上げる。世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の最終回では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、富士通だけOB世代が最上位となり、就職氷河期世代は7社で「勝ち組」ゼロだった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
AI需要を追い風に7社そろって本業増益
「脱家電」の先の勝ち筋は七社七様
大手電機7社の2026年4~6月期は、営業利益または調整後営業利益がそろって前年同期を大幅に上回った。AI・データセンター関連需要、企業のIT投資、防衛需要、円安などが追い風となり、増益率は24.6%から2.6倍に達した。ただし、各社の収益源は、すでに家電中心ではなくなっている。
ITサービスや社会インフラを軸とする富士通、NEC、日立製作所は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援やデータセンター向けの電力インフラ需要を取り込んでいる。製造現場や部品に強い三菱電機と京セラは、FA(ファクトリーオートメーション)機器や半導体製造装置向けのセラミック部品などが伸び、業績をけん引する。
また、事業構成の入れ替えで収益力を高めてきたソニーグループとパナソニック ホールディングス(HD)も絶好調だ。ソニーはゲームや音楽、画像センサーを柱に26年4~6月期の営業利益が前年同期比40.2%増、パナソニックHDはデータセンター向け蓄電システムなどを成長の軸に据え、同期の営業利益が同2.1倍に拡大した。
7社は同じ大手電機メーカーに見えても、「何で稼ぎ、どこを伸ばし、どこを切り離し、次の柱を何にするか」が大きく異なる。もっとも、足元の業績や事業環境がどうであれ、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。
特集最終回となる今回は、富士通、NEC、三菱電機、京セラ、日立、ソニー、パナソニックHDを取り上げる。7社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。
対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。
試算の結果、三菱電機、日立、パナソニックHDは若手の社員、京セラとソニーはシニア社員、富士通はOB世代が勝ち組となった。NECでは若手とシニアが並んで首位に立っている。特筆すべきは、就職氷河期世代が7社のいずれでも1位にならなかったことだ。次ページでその詳細を確認しよう。







